逆浸透膜(RO)の原理
逆浸透膜はなぜ水分子よりも小さな物質まで分離除去できるのか?
水道水から35%~40%の水分子を分離回収して浄化水とし、残りの不純物を含んだ濃縮水が浸透膜を洗浄しながら排水されます。
フィルターに不純物を溜め込まないので浸透膜は3~5年と長寿命です(使用量、水質によりフィルター寿命は変動します)。
浸透膜のしくみ
浸透膜で仕切られた両者の濃度が同一となるよう溶媒である水分子が移動します。つまり濃度の高い液体を薄くする様に水分子が移動するのです。その水分子の移動しようとする力を浸透圧と言います。
逆浸透とは”逆に浸透すること”
これに対して濃度の濃い側の液体に圧力をかけて、水分子を浸透膜からしみ出させ、通常の浸透膜の動きと逆向きの動きをさせます。これが逆浸透です。
フィルターは水分子より少し大きな穴
メンブレンフィルターは0.0001ミクロンと水分子一つと余り大きさの変わらない孔が開いていると言われています。実際には分子原子レベルの大きさのものは電子顕微鏡で見ても、熱をもっている以上、振動していますので大きさを測る事はできません。
このサイズになると細菌や大きな分子構造の不純物は通れません、しかしこれだけでは水分子と余り変わらない大きさであるイオン状態の重金属や塩素等を除去出来る説明にはなりません。
浸透膜の穴の大きさが水分子2つが並ぶ大きさより小さくなると浸透膜表面は溶媒である水分子の膜で覆われ、その水分子の膜の中には溶質であるイオンは入り込めない状態になり、浸透膜の穴を行き来するのは水分子だけとなります。
それにより、水分子と余り大きさの変わらないイオンサイズの不純物も分離除去できるのです。
以上の説明は逆浸透膜に起こる現象から推測した諸説の中の代表的なものです。他にも水分子が水素原子部分は+に、酸素原子部分は-に分極しているた め、-イオンと水素原子部分の+が、あるいは+イオンと酸素原子部分の-が引き合い、イオンに水分子が取り付く事により構成半径が大きく成るため、逆浸透 膜の孔を通過出来なくなるとする説もあります。
この説は水中に溶解してイオンの形態をとりにくいホウ素の除去率が下がってしまう事に説明がつきます。
他には逆浸透膜の孔の側面に水分子が引き寄せられ中央部の水分子の存在比率が下がる事によりイオンが溶けている事が出来なくなり分離されるとする拡散説等が主なところです。拡散説だとすると孔の大きさは一般に言われる0.0001ミクロンよりかなり大きい事になります。
実際には膜自体の厚みもかなりありますしので孔の形状は網目というよりは、ナノレベルの世界ではトンネルという表現の方が合うような気がします。
よく逆浸透膜の孔のサイズに使われる0.0001や0.0003ミクロンの表現は一般の方に分かり易く説明するための推測値だと思います。
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